オールレイディース曲。
ニオライ
「ネオンライト」が「ニオライ」に聴こえるから、ニオライ。
80曲踊ってきた中では「すき」が詰まっていたNeonlight Lipstickだからしょっぱなからセンターに立たせてもらった。
「すき」って実はとても細かい感情が入ってて、大きくわけるとこんな感じ。
・曲がすき
・振付がすき
・構成がすき
「すき」がオールマルになることって、わたしの中では実はすくなかったりする。
もちろん、安室ちゃんがすきで、安室ちゃんが歌う楽曲で、安室ちゃんのステージなら「すき」に変わりはないのだけど、
「すきすぎて感情が行方不明」と「これすきだわー」だと「すきメーター」の振れ幅はかなり大きい。
「あの人タイプすぎてムリ・・・」
「あの人いいよね」
ぐらいの違い。
Neonlight Lipstickは、楽曲・振付・構成すべてが「タイプすぎてムリ」のレベルだったから心が「ぐおおぉぉぉ・・・」となるわけで、そうなってくるとどうしてもセンターに入りたい。
センター希望を伝えてくれていたともよちゃん、ねねちゃんに相談してしょっぱなに入れてもらった。
Neonlight Lipstickの構成はどこもすきなんだけど、特にここがたまらん。
ビューティファイ、ステューピファイ
「ビューティふぁーい、エレッテリふぁーい」
「ウィーネイションわぁーい」
韻の踏みかたが天才すぎてどうしようもない。
「こんな韻を踏んでくるなんて作詞家はどなただろうか」と調べたらTIGERさんも携わっていた。
「なるほどなー、だからかー」となったけど、これといって作詞家さんに詳しいわけではない。
詳しくはないけど、「この歌詞すごいな」と思って調べるとTIGERさん、ってことが過去に何度もあった。
でも、後期になると海外のクリエイターさんの名前が並ぶようになったから久しぶりに「TIGERさんだったんだ!」っていう懐かしさと嬉しさがあった。
この「ビューティふぁーい」のパートを担当されたかどうかはわかんないけど、とにかくこんなにキャッチーな韻を踏まれたんじゃすきにならざるを得ない。
ここの構成は、
ダンサーさんたちがななめ1列になって、全員違うカッコいいポージングで悩殺してくるパート。
アート。
もうね、これはアートだよ。
額縁に入れて個展に出してほしいよ。
どの楽曲もどんな瞬間もアートなんだけどここは特に。
それぞれ違うポーズを取る、はよくあるけど、このポーズはどうやって決めてるんだろう。
バランスが絶妙すぎて。
安室ちゃんもダンサーさんもアドリブでサッと出せるポージングは万パターンもあるんだろうけど、それでもやっぱり「カブっちゃった」はあるはずで。
まったく同じポーズを取っちゃった、じゃなくて、「顔の向きが右だった」とか、「中腰だった」とか、そういう感じの。
そうなると、それぞれのポーズがどう決まっていくか、考えられるのはこれ。
①話し合い
ダンサーさんに「とりあえず好きなポーズ」を取ってもらって、「あーこれでいいね」「ここ左右のバランスよくないから私は左向くね」的な変更。
ステージの年によるけど、このときダンサーさんだけじゃなくてIZUMIさんやTRFのCHIHARUさん、ETSUさん、コレオグラファーさんが現場で決めることもある気がする。
②指定のポージング
コレオグラファーさん、ステージングさんからの指定ポーズ。
プロ集団だから1人1人に「このポーズで」っておねがいするイメージがあんまりつかないけど、見事にバラバラだから緻密に計算されたアートなのかもしれないなー。
それぐらい「ビューティーふぁーい」のポージングパートがあまりにビューティファイだったので「ダンサーさんがほんとに取ってるポーズ」をみんなにやってもらった。
安室ちゃんのステージは8名のダンサーさんと安室ちゃんだけど、わたしたちは7人。
どのダンサーさんもステキなポーズをされてるからすごくすごくすごく悩んだけど、いつも取り入れてるHossyさんとYUSUKEさんのポーズは今回はなくなく削らせてもらった。
これをメンバーに贈った。
ポージングは7人分を振り起こしして、スタジオで脳内映像を出して、オンラインレッスンでレクチャーして、1人ずつ覚えてもらって、現場で合わせた。
初めてのチャレンジ。
前年までだったらたぶんやってない。
「好きなポーズでいいよー」にしてる。
何か新しいことを覚えてもらう、追加することは「メンバーにとって負荷」としか思えなくて「ほんとはやってもらったほうが仕上がりはいいけど、やめとこう」をずっとしてきた。
でも今年は違う。
みんなに甘えさせてもらって、少しでも安室ちゃんのステージのエッセンスを感じる仕上がりを目指すことにしている。
1人1人がダンサーさんのようなそれぞれのポーズが出せたことでこのパートも安室ちゃんやダンサーさんに1mm近づく体験ができた。
Neonlight Lipstickの構成練習日、はじめて全員でポーズを取った瞬間は大反響だった。
「すごーい!」
「いいねー!」
「かっこいー!」
「できたー!」
みんなの心が満ちた。
そんな「それぞれのポーズ」をオールレイディースで取れたことはとてもうれしかったしみんなビューティふぁーいだったなー。
ところで「ビューティファイ」と聞くと、ハリポタの「ステューピファイ」が出てきちゃうよ。
ステューピファイは「相手を麻痺させ、気絶させる」魔法。
安室ちゃんとダンサーさんがビューティファイすぎてやっぱステューピファイ。
ラチャチャのトリック
「誰もがみなwanna be me」の振りも歌詞にマッチしすぎていてすきだったんだけど、このあとにくる「Show my tricks like」の「トリック」、これがねー。
そもそも「トリック」って響きだけでなんとも言えない高揚感があるのに、「Show my tricks」だなんて、もう、どうしたらいいの。
そんな「トリック」、どんなトリックかというと「Ra Cha Cha」なトリック。
ラチャチャとはご無沙汰してる。
「I wanna dance do you like CHA-CHA-CHA」
ラチャチャチャ!ロマンシン気分チャチャ!
あの名曲を歌う石井明美さんのラチャチャと安室奈美恵さんのラチャチャではだいぶ違いがあるけど、赤ずきんチャチャはもっと違う。
「これからあなたにラチャチャなトリックをみせます」
って言われたら
「え、どんなトリック?!もしかしてもう引っかかってる?!」
みたいな気持ちになるんだけど冷静に考えて「ラチャチャなトリック」て、なに。
そんなトリックパート、「Show you」って言ってる安室ちゃんにダンサーさんが一気に注目することで、安室ちゃんのトリックを観にいく構成になってる。
安室ちゃんが圧倒的なトリッカーに見えるし、どんなトリックか気になってる感が出ててすごくたのしい構成。
「これはとんでもないラチャチャが来そうだぞ!」
と思わせておきながら、安室ちゃんはこれといってトリックでなんも仕掛けてこない。
「なんのトリックもなかった!!」
と思った、最初は。
でもトリックあった。
安室ちゃんだからなんもしなくたって「虜になるまでyou can’t quit」なトリック。
こんなことになってるから「トリック、どうやって表現したらいいんだろう」と悩んだわけよ。
安室ちゃんだからなんだってできるけど、わたしはただの人だから自分なりに考えて、こうした。
トリックの種明かし
これのなにがトリックだというのか。
このトリックを見破るのはコナンでも金田一の少年でもちょっとむずかしいんじゃなかろうか。
では、種明かしをどうぞ。
このトリックを創るにあたり、「土台」の設計をしたからまずは、土台のお話から。
【セリック:土台】
※セリック
せり×トリック=セリック(どこかでも言ってたっけ?)
マジック界の巨匠、Mr.マリックさんからインスピレーションを受けてこう呼ぶことにする。
え、待って。
Mr.マリックさんって本名「まつお あきら」さんなんだけど、マリックの「マ」ってもしかして「まつお」の「ま」?
まつお×トリック=マリック?
もしそうだったら発想がマリックさんと同じなんだけどどうしよう。
今回が初めてのトリックなんだけどいきなりセリックと名乗っていいのかな。
いいか。
いいね。
って話どっかでしたっけ?
わたしの海馬こわれぎみ。
とりあえず、土台のお話進める。
ダンスの振付は基本的に「その歌詞やその音に合った動き」がある。
動きは大きくわけると2つ。
1 なんとなく出た自然なもの
「なんとなく」といっても、それまでのダンス人生で積み上げてきたあらゆる動き、センス、すきな動き、身体能力がミックスされてるから「なんとなく」の一言で済ますことはできないのだけど、「自然に身体が動いた形」ひとまずこれで。
2 ピンポイント狙いのために練ったもの
「この歌詞を強調したい」「この歌の世界観を伝えるためにはどこにインパクトを持ってくるか」みたいに緻密に計算して、練って練って練って練り直してやっと「これだ!」に辿り着いた「試行錯誤の賜物」みたいな感じ。
今回のトリックでどちらを使ったかというと、2
次に、タイミングのお話。
「表現を出すタイミング」は大きくわけて2つ。
1 歌詞と同タイミング
「咲いた 咲いた チューリップの花が」では、「咲いた」に合わせて手のひらで花をつくる
2 歌詞とズラしたタイミング
「咲いた」のときには手で花をつくらないけど、「咲いた」がわかるように「チューリップ」で花と分かるように体現する
今回のトリックでは1と2をミックス。
同タイミングとズラしたタイミングで何が違うかと言うと、「オシャレさ」だと思ってる。
タイミングに合わせて分かりやすい表現(咲いたで咲く)→難易度 低
タイミングに合わせないで高度な技を表現する(咲いたで咲かない)→難易度 高
後者だと奥行きが出るから「うわぁ!」みたいなオシャレさが感じられる仕組みになってるのではないかと思う(もっと研究したい)
だから今回は「タイミングをズラした指クイ」を選んだ。
トリックでは指をパチンと鳴らすと何か起きる、のイメージがあったから指を使って表現することが最初に決まった。
でも、パチンとは鳴らさなかった。
これをパチンと鳴らすことは「わかりやすい表現」になって、これはこれですきな表現だけどここ2年で奥行きを学んできたから、これまで表現できなかった1ランク上の表現を目指したかった。
そこで指クイ。
3つの表現。
1 ご注目
「Show my」で自分に向けて指クイして「こっちにご注目感」を出してる
2 呼び寄せる
センターにグンと集まる構成だから指1本でみんなを呼び寄せる魔法的な表現
ハリーポッターでいうところのアクシオ
3 トリックでなにもしない
安室ちゃんへのリスペクト
Show my でトリックをおわらせて、tricksではなにもしないトリック
実はあの一瞬にこれだけのプロセスと要素を詰め込んでいたけど、この表現は自己満足の世界。
やりたいことをやりたいようにできたし、自分の中では去年よりもさらに1mm奥行きが出せたからたのしかった。
「あれはどんなトリックを使ったんですか!」みたいな質問がきたら(こないけど)こんな会話がしたい。
「特にトリックは使っていません、それこそがトリックなんです」
「ほほう、興味深い種明かしですな」
「ラチャチャ(あはは)」
お手上げ王冠
「you can’t quit」で手をあげるのだけど、この王冠にした手を外側にして頭にくっつける表現は2021年のダンス界でわりと流行ってた印象。
ニオライのここはそれとはまったく違う表現で、ちょっとした「お手上げ感」がある。
お手上げと言えば「やれやれだぜ」的なゆるやかなお手上げのイメージが強いけど、このお手上げは強い。
バッと上げる。
映画で「Freeze!(動くな!)」と言われたときと同じスピード。
映画でFreezeのシーンに出演することになったら迷うことなく王冠開きにしたい。
なぜ開いてるのか聞かれたら(聞かれないけど)こんなシーンにしたい。
「安室ちゃんのニオライでは手が王冠ぐらい開いてるんだぜ」
「それはクールな開き方だな、これからのスタンダードにしようか・・・Freeze!」
りょうちんはお手上げ王冠しながら次のフォーメーションのために想像を絶する速さでカニ歩きしてるパート。
ライトアップthe空
たぬさんがシャッターを切ると奇跡が起きる。
シャッターを切ると、とか言ってるけどどの瞬間も逃さないために曲中は永遠に連写してくれてるからこうやってとっておきの1枚になる。
ライトアップthe skyでライトに触れてる瞬間。
見ての通りライトアップをしてるんだけど、「ドラ地蔵」たちが背中でがんばっている。
ドラえもん×地蔵=ドラ地蔵
ドラえもんのように「ぐー」の手で、しっかりと立ったまま動かずにじっとしていること(MASQ語録)
これが意外と大変なんだよね。
動いてるほうが足がラクだったりする。
止まるにも筋肉を要する。
ドラ地蔵の次は空に向かって手をめいいいっぱい伸ばす「スカイ組」の登場。
これ地味にきついのだけど、みんな限界まで伸びてるところからの、
「二―オライライ、ニオライラ ああーーー・・・!」
ここのみんながすきなのです。
「それぞれ自由に伸びてー」とおねがいして、自由に伸びてるから個性が溢れててすきなのです。(さとみちゃん隠れちゃってるけどステキ)
「伸びる」と聞いてサッと出る表現ってたぶん「両手が上」なの。
疲れをリフレッシュするときに伸びるのも上だし、植物の芽も上に伸びてく。
人間の身体の構造的にも上か横が出しやすい。
だけど、真っ直ぐ上に伸びてるメンバー1人もいない。
しかもここ「バランスみようか」って直さなかったところだから余計にすごい。
7人がそれぞれ7人の「バランス」を考えながらすきな伸びの表現を出してるんだけど、なにがすごいって、ダンス初心者さんでこれができちゃうところ。
「すきな表現でどうぞー」って言われて「やったー」とか「おっけー」って思えるのはやっぱり経験豊かな人になりがちで、「どうしよー」「なにしたらいいかわかんない」と不安になってしまうのが初心者さんあるある。
でも、SHINEメンバーには任せちゃう。
スパルタかもしれないけど、振付が決められてる分、自由に表現できるところは「本人にお任せ」のスタイル。
ぬりえみたいなもので、「葉っぱは一応グリーンに塗ってほしいけど、お花は何色でもいーよー」みたいな感じ。
そうすると選ぶカラーも塗り方にも個性が出るよね。
パステルカラーでも黒でも、すきに咲かせてほしい。
わたしの場合は「伸び」を真逆にする表現を選んだ。
手を伸ばさない伸びはここで初めて使った。
2年前だったらこんな表現できなかったな。
増量キャンペーン
サビの「ニオライ リッスティ」はまず安室ちゃんがやってからダンサーさんたちが少しずつ増えていって最終的に全員でニオライをリップスティックする構成になってる。
どんどん増えてくことから最初は「ふえるわかめ」と言ってたけど、「増量キャンペーン」で定着。
今年のキャンペーンは終了しました。
1列でグイグイ
ねねちゃんにバトンタッチ。
2Aは足をゆっくりと引き上げておろす振りで、このゆっくり引き上げるのがめちゃくちゃキツいのにしっかり90度以上のラインまで上がってるのはねねちゃんだけ。
振り起こしをするときはDVDを一時停止させるんだけど、そのときにダンサーさんよりも安室ちゃんのほうが足があがってるとか、反ってるとかがかなりある。
ダンサーさんもプロ中のプロで、全身全霊でパフォーマンスしてるのに、そのさらに上をいく安室ちゃんは一体どういうこと・・・?
ってなる。
それと似てるところがあるねねちゃんは誰よりもカラダを大きく使ってパフォーマンスする。
これは日頃の積み重ねと、1回1回をしっかり踊る性格から出てるモノなんじゃないかな。
体力を温存したい練習時はマーキングになりがちだけどねねんちゃんはいつもフルアウトで踊ってる。
だから細胞たちがフルアウトのポジションを覚えててすぐ動いてくれる。
聞かせてよウォー 見せるわさモォー
オシャレ韻踏むとこはねねちゃんを筆頭に7レイディースがグングン前に出てくるんだけどこの迫力がよかったよね。
「おしり、おしり、おしりをどうぞ」って覚え方にしたからみんなおしりをこれでもかと撫でてる。
からのBlue,Green,Pink,Red,White
安室ちゃんのステージでは横一列にずらーっと並んでやるんだけど、そのスペースがない。
横は3までしかないから致し方なく前後ズレで。
意識の結果
ねねちゃんの足がステキすぎる。
とにかく足の使い方が圧倒的なんだよなー。
どうしたらそんなポジションに持ってこれるんだろうか。
あとはね、あやちゃんの左肩。
これは相当意識しないとこのポジションには入ってこないんだよ。
なぜなら私がこの振りを練習してたときに安室ちゃんが入れてる左肩のポジションに全然入れなくて直したところだから、レクチャーVを相当研究してあやちゃんもポジションを直したんだなーが伝わる瞬間。
細かいとこよーく見てる&直す&結果出すNo.1はあやちゃん。
だから成長速度もNo.1
スカイ組2
ねねちゃんの髪がふわってしてる。
これは首を戻すスピードと止める力が強いから起きる現象。
スカイで上向いて、普通に首を戻すだけじゃ髪は重力に逆らわない。
「スカーイは限界まで伸びて、一気に戻す」
二―オライライはアイソレ。
首のアイソレ。
顔も傾かず、首も倒れず、肩も傾かず、しっかり首が左に入ってるねねちゃんと、ダンス経験がまだすくないけどめちゃくちゃがんばってるりょうちんとあやちゃん。
こういうシンプルな動きにこそ基礎力が活きてくる。
アイソレが大事なことぐらいみんなわかってる。
だから今みんながんばってる。
でもレッスンで取り入れるようになったのはここ1年ぐらい。
MASQは「楽しむことが1番大切」がコンセプト。
だからスキルアップにつながる技術的なレクチャーは二の次にしてたけど、
「どうやったらそんな風に踊れるのー?」
「なんかうまくいかないんだけどどうしたらいいかわかんない」
って声が増えてアイソレをやることにした2021年。
最初からやっておけばよかったけど今からでも必ず成長できるから大丈夫。
ああー
こんな発想力を持ってるってステキ。
COMEXでここまで下がるのかなりキツいのにねねちゃんはいつもキツいことをキツくなさそうにやってる。
それはたぶんキツいと思ってないから。
「こうしたい、たのしい」が勝つからそれがエネルギーと一緒に伝わってくる。
ステージ裏を駆け抜けて2Fへ
2サビはねねちゃんセンターでカマしてもらった。
ただでさえ高さのあるCOMEXなのに右足のかかと3cm浮いちゃってるよ。
安室ちゃんもかかとよく浮いてるけど、それと同じぐらい浮いてるから足元に重さがないもんね。
そんな2サビは5人にお任せ。
りょうちんはすごい衣装でがんばる。
ともよちゃんはこの後モーゼになる。
ねねちゃんはカッコいい曲センター似合う。
あやちゃんはキツい1歩をがんばる。
さとみちゃんは去年にはなかった強さが出てくる。
横1列で5人がサビを全力でがんばってくれたからうららちゃんと私は抜けた。
抜けたというよりは、リサさんとミキさんの動きを追ってる。
2サビ前の「in the dark」でステージが暗くなるんだけど、このときにダンサーさんの何人かがハケてく。
その中で、リサさんとミキさんはDメロの構成のためにステージ裏にまわって、2Fの袖まで移動。
これをどうしてもやりたかった。
7人でサビを踊る選択肢もあったけど、構成を見たときに大きなリスペクトがあった。
「うわぁ!ここで2Fまでいってんのか!」
こういう「表には見えない裏の動き」にめっぽう弱い。
裏の努力が見えると、どうしようもなく心を掴まれる。
ステージをハケるとこまでは堂々としていて、ハケてからも堂々とはしてるだろうけど息を切らしながら走ってるんじゃないかと思うともう・・・。
ステージ裏は暗いからハケた瞬間は足元を照らすライトを持ったスタッフさんもいるんじゃないかな。
ツアーのスタッフTシャツに首から「ALL AREA」のパス下げてドラえもんのスモールライトみたいなの持ってるはず。
舞監(舞台監督)のHIDESHIさんが安室ちゃんの足元を照らすときに持ってるアレ。
ライトのスタッフさんとダンサーさんが一緒に走りながら上がってるのか、各所にスタッフさんがいるのか、センサーで付くタイプのライトで1人で走り抜けてるのかは定かではないけど、ステージ裏は天井が低いから身体をかがませないといけない。
かがませながら走る上に、配線とかも跨いでブーツでこけないように辿り着かないといけない。
トラスとか木材で組まれたセットは迷路だろうから、リハでもゲネでも何度も導線とタイムを確認してるはず。
それでリサさんとミキさんはあの2Fで顔を合わせて「間に合った!」「間に合わない!」みたいな会話をしただろうし、走ってるときは上手(かみて)と下手(しもて)に分かれて1人ずつ走ってるからお互いのことを想い合いながら走ってるかもしれないなんて思うと・・・
もうダメーーー。
ダメすぎるーーー。
こういう裏のことを思いっきり表に出してほしいのに!
ないんだよ!
ないからイマジネーションだけでも綴るよ。
舞台裏のDVD早く販売してほしいよ。
って気持ちが募りすぎてリサさんとミキさんの「ハケから2Fまで」を表現している超マニアックなパート。
でも安室ちゃんのステージみたいに入り組んでないし丸見えだから後ろを向いて止まることにしたの。
気持ちはステージ裏を走ってるよ。
うららちゃんはミラー越しに1Fで踊る5人を見守ってる。
1人1人がこの瞬間を思いっきり表現してるところにグッとくるんだよなあ。
モーゼの準備
1Fステージからハケて2Fにあがって何事もなかっかのように袖から出てくるリサさんとミキさん、
1Fステージから2Fステージにあがってモーゼの準備に入るYUUさんとHiRoMiさん、
レディースを力強く支えるHiroyukiさんとHossyさん、
この構成をそのまま。
Dメロが始まる前の移動でこの1列に入って、さとみちゃんとりょうちんはメンズダンサーさん風のドラ地蔵。
さとみちゃんとりょうちんはダンスの経験がMASQでしかないことと、性格と、なにかとあって、あまり力強い表現が得意ではないのだけど、このドラ地蔵の姿よ。
去年もドラ地蔵になる瞬間はたくさんあったけど、まだレディース感じやら恥じらいやらが残ってた。
それが今年はバージョンアップしすぎてメンズの雰囲気を醸し出せるぐらいの強いドラ地蔵に成長している。
こんな頼りになるドラ地蔵になるだなんて誰が想像できただろうか。
りょうちんもさとみちゃんもカッコイイよりカワイイのイメージが強いけど、メンズポジションもいけんじゃーん!
カッコいいよ!
っていう感動のシーン。
だからあやちゃんを筆頭にしたモーゼ隊も安心。
2番はねねんちゃんセンターで、Dメロからともよちゃんにバトンタッチ。
実際のステージでも安室ちゃんが中心に入って、ダンサーさんが少しずつ動くことで安室ちゃんがお目見えする構成。
それまでねねちゃんがセンターだったけどいつの間にかともよちゃんになってるトリック。
そしてこの顔である。
ともよちゃんは女優スイッチがオンになると表情のバリエーションが急に増える。
それが表現力とか魅力に繋がるからすごくステキ。
「わたしが出てきましたよ感」がすごい。
そんなともよちゃんをとりまくダンサーさんポジションで横カチして開いてく4人もいい。
横カチ後はレディースダンサーさん4人と安室ちゃんは前後に入っていくのでここもそのまま。
このシーンはダンサーさんがそれぞれ自由な動きをしてるからそれっぽさが出るといいなとは思ってたけど振り入れはしなかったの。
振り入れはしなかったのに、みんないつの間にか自分のポジションのダンサーさんの動きを自分で振り起こししてきてくれて、そのままやってくれたの。
これちゃんとそのときにお礼言えてなかったような気がするから今もっかい言うよ。
ほんとにありがとよ。
でも実はこの並びはなんとなく決めたのではなくて、このポジションにいるダンサーさんにキュンが強めなメンバーを置いているのです。
それとね、この5人が動いてるときドラ地蔵は動いてない。
なぜならほんとのステージでも動いてないから。
もっかい同じ写真を見てほしい。
5人がいるステージの1段下ではスポットライトが当たってないけど力強く立つメンズダンサーさん。
スポットライトが当たってるけど力強く立つメンズダンサーさん風ドラ地蔵のさとみちゃんとりょうちん。
そして最後のキメポーズ。
最高なのよ。
それぞれがリスペクトを持ちながらそれぞれの個性が出てる感じがたまらんよ。
ゲストと目が合ってニッコリしてるのも最高。
そしてともよちゃんは歩いて出ていく。
これもよかったなぁ。
ほんとは歩いて出てく構成がないけど、リハを重ねてくうちに「このほうがいい」とか「こうしたい」って出てくるもので、ともよちゃんから相談があった。
「ここ、前に歩いて出ていってもいい?」
いいに決まってる。
この相談は、「本家に忠実にする気持ちがあるなら全然このままで」「構成にはないから勝手にはできない」というともよちゃんの優しい配慮で。
もうさ、そんなの、気持ちを優先したいよ。
いや、たしかにね、あるのよ。
「ここはこの構成を崩さないほうがいい」っていう瞬間が。
だからそういうときはそのまま伝えたり、間を取ったりするけど、基本的に「こうしたい」は叶えてあげたいよね。
だってわたしも構成飛ばしてやりたい表現で自由に楽しませてもらってることたくさんあるからさ。
みんなにもフリーにエンジョイしてほしい気持ちはいつでもあるよ。
ともよちゃんがグングン前に出ていって何が起きたかって、そりゃもうゲストからの
「キャーーーーーー!!!!!」
なんという最高の会場。
いよいよモーゼ
ラストの「ニオライリップスティック」では1回打つごとにダンサーさんが縦列に入っていく構成。
この縦2列になるのがちょっと大変だったよね。
絶妙な距離じゃないと間に合わないとか、見えないとか、重ならないとかで。
わたしたちのフロアに階段なんてものはないからそこはもう距離の調整でなんとかしてくしかなくて、こうやってなんとか入っていく。
2列になったら顔を見合わせて、開いていく構成。
これがね、慣れるまで笑っちゃって笑っちゃって。
わたしは相方がねねちゃんで、もう目を逸らしてもいいタイミングが来てもずっとお互いに見ちゃうからずっと笑っちゃって。
笑い合ってしまう組み合わせとしては1番だったけど本番は「笑う」の空気が全然違ったよね。
本番までは「おかしい!あはは!」だったけど、本番は「ラストキメにいくよ」的な空気と、お互いへのリスペクトと、エールと、息を合わせる感じと。
たくさんあって。
ダンサーさんのこと観てるとニッコリ笑い合ってる瞬間けっこうあって、こんな気持ちなのかなって。
観てるこっちとしてはグッと来すぎちゃって苦しくなるぐらいすきな空気感。
あーステキ。
そんなこの構成はダンサーさんが離れてV字になることでトップに立つ安室ちゃんが引き立つ仕様なんだけど、これをMASQではモーゼと命名。
海を開けたからってまた出てくるモーゼ。
最後を飾るにふさわしいウォーキング。
ラストの「うターンターンか!ターンターンか!」の変速ポーズ。
ここはあえていつものMASQスタイル。
MASQではポージングに迷ったときにすぐにポーズが取れるように「上中下」と呼んでる決めかたがある。
これをうまいことミックスすると高低差がついてそれっぽい雰囲気が出せる。
右左、上下、かぶることがなくなるトリック。
リハで調整して決めたオリジナルのポーズ。
そこからスーッと1歩動いてラストポーズ。
Neonlight Lipstickは想い入れが強い曲になった。
オールレイディースの曲で1人1人が細かいところをすごくがんばった。
みんなで仕上がったときの歓びが一際大きかった楽曲。
この7人でできたことがしあわせだったな。
ラブいメンバー。
M15 Neonlight Lipstick