安室奈美恵さん21曲振付ダンスイベント【SHINE MORE MASQ 2021.12.18本番】M9│Without me

特徴的な3人で。

2レイディース×1メンズってのがまたよかったよね。

電光掲示板ベルトとおみくじ棒

もうダメ、これ。

すきすぎて。

曲もメロディーも振付も衣装もこの3人も、ALLツボ。

ファンの間では意見が割れたみたいだけど、私は安室ちゃんのすきなアルバムランキングでも上位に食い込むほどすきなSUITE CHIC。

当時はまだウォークマンとMDの時代で、私はSONYのウォークマンを卒業後、SONYの真っ青なMDでSUITE CHICを鬼リピしてたよ。

MDのイヤホンについてる曲タイトルが電光掲示板みたいに流れるおみくじサイズの棒みたいなアレ、どう考えてもオシャレだったよね。

オシャレの最先端とされてた109でも電光掲示板ベルト売ってたもん。

あの頃、「ガチャベル」と呼ばれるガチャガチャベルトが流行ってて、みんなそれをつけてたけど、私は電光掲示板で任意の文字が流せる最先端のベルトを腰に巻きたがってたんだよ。

MDコンポに文字が流れるとか、曲タイトルを設定したらその通りに流れるとか「どんな仕組みで流れてるの?」って不思議に思ってたから、すきな文字が流せるベルトなんて買うに決まってる。

こんな夢みたいなベルトが巻けるなんてただごとじゃないよ。

2年前にアーティストさんのステージでも電光掲示板の演出が入ってたからやっぱ電光掲示板は魅力的なアイテムなんだよ。

109で電光掲示板ベルトを買ってルンルンで帰宅するやいなや入力文字の考察に入る。

「どんな文字が流れてたら渋谷でオシャレなんだろう?」

とりあえず渋谷は象徴したい。

「渋谷」か「109」か。

そんなことを考えてたけど、電光掲示板と言えばやっぱ電車だよね。

ってことで、流したい文字が決まりました。

「白線の内側までお下がりください」

これがね、流れてるベルトつけてるなんてギャルなんてね、渋谷のどこ探してもいるわけないのよ。

だから「これはめちゃくちゃオシャレなギャルになれるかもしれない」なんて思ってたんだから、若いってすごいよね。

「白線の内側までお下がりください」を入力することが決まったからもう早く光らせたくて、早く流したくてしょうがない。

普段は絶対読まない取扱説明書だけどね、今回ばかりは文字を流すために開いてみたわけ。

「光らせたいとこに合わせたらエンター押して確定してね」って言ってる。

それで気づいたよね。

“白線の内側までお下がりください”を1段もミスすることなく入力するなんてこの私にできるのだろうか?

できる気がしない。

だけど、やってみる。

まず縦横の電子マスの数を数えて、メモに書いて、どこが光ったら正解なのか割り出してみた。

入力完了するにはすごい時間がかかりそう。

夜ごはんの時間までに仕上げられないことだけはわかった。

それでも個性的なオシャレのためにがんばる18歳。

ぽち、ぽち、、、えんたー

ぽち、ぽち、、、えんたー

やっとのことで「白」だけ確定表示できたからテストで流してみることに。

「えーと、流すにはこのボタンを押す、ふむふむ」

「わー、なんかワクワクしてきた!」

文字が流れてくるワクワクは、流しそうめんが流れてくるワクワクとほとんど一緒だった。

そんなワクワクを胸にボタンを押すと、こう流れてきた。

「・・・・・白・・・・・・・・・・・・・・白・・・・・・・・・・・・・・白・・・・・・・・・・・・・・白・・・・・・・・・・・・・・白・・・・・・・・・・・・・・白・・・・・・・・・・・・・・白・・・・・・・・・・・・・・白・・・・・・・・・・・・・・」

永遠に流れてくる、白。

逆に、白しか流れてこない。

ベルトのバックルに颯爽と流れてくる「白」を何度も目で追いながら爆笑が止まらない。

ひとしきり笑い終わった頃には「白」に謎の達成感を感じていた。

その結果、「線の内側までお下がりください」を入力する欲求がどっかいってしまった。

かといって「白」と流れ続けるベルトを着けて渋谷に出る勇気は持っていない。

でももう後半の文字を入力する気も起きず、「白」と流れ続けるベルトを放置して夜ごはんを食べて、おもしろいテレビを見て部屋に戻ってきたら電源がOFFになっていた。

「あれっ!」

「つかないっ!」

電池切れ。

テスト電池が切れやすいのはあるあるだけど、あまりに早すぎやしないか。

「電池買ってこないと」

「どの電池なんだろう」

MDウォークマンの時代、ボタン電池より単3電池を基準に生きていた私にとって、単4電池の小ささと、単1電池の大きさには驚いていた。

ボタン電池の種類なんか、わかるわけない。

それ以来、電光掲示板ベルトに文字が流れることはなかった。

あれから大人になった私は映画マトリックスを観たことがきっかけで2進数に興味を持った。

電光掲示板ベルトは2進数によって文字が流れていたことを知る。

そして、MDのおみくじ棒にあの頃流れていた文字は「Without me」

ぼうし練

うららちゃんセンターからスタート。

安室ちゃんの衣装カラーがパーポーだから、「なんでもいいからどこかパーポーを入れよう」ってことで、やまぴはネクタイ、うちらはジャズハットのリボン。

世界観がまとまってすごくよかったんだけど、このジャズハットがね、すぐ脱げちゃうの。

腕との距離感がいつもと違うからツバをアタックしがち。

だから腕が当たらないように距離感を練習する「帽子練」っていうのをしたんだけど、ポコッた。

ポコッて、脱げちゃう。

その度にもう脱げないように「グッ」と押し込む。

これが「衣装直し」に見えないように気をつけないとね。

衣装直しをしてはいけないのが舞台の基本。

乱れた髪や衣装はつい直したくなるけど、直す「手」がみんなと違うタイミングで出ることでお客様の目線がそこに集中してしまう。

結局乱しているのはチームや作品の輪。

だからプロは髪や衣装が乱れてもいじったりしない。

髪が目にかかっても、弾け飛ぶ胸のボタン焦りすぎても、触らない。

どうしても直したいときは、直してることがわからないように、演出の一部かのごとくサラリと自然に。

1ポコ

2ポコ

3ポコ

ライクビフォー、アフター

「No I can’t act like before」

安室ちゃんがやわらかめな感じで腕をスパーンってやるとこ。

うららちゃんは「ズバーン!!」って感じで、これがうららちゃんらしすぎて毎回笑ってたし、ふざけててもよかったのに。

スパーン

「なんで本番だけマジメにやってんのよ笑」っていう2人の笑い。

たぶん私が「そこは頼むよ!笑」ってリハのときに言ったからだね。

そんなうららちゃんは動きの魅せ方がすごくステキ。

2人いても1人ずつ目を合わせてくれるし、1人ずつピッ、ピッてしてくれる。

1サビもお任せ。

この世界観がよく似合う。

Without meに限らず、基本的にセンターに出たがらないうららちゃん。

踊れるし、魅せることもできるのに出たがらない人ってあんまりいない。

「後ろにいることでみんなが目立ってるほうが好き」

「後ろからみんなが踊ってる背中を見てたい感じたい」

「ほんとは照明をずっとやってたい」

っていう根っからのkurokoタイプ。

だから人数がいる構成曲ではあんまりセンターに出さなかったけど、3人のWithout meではイントロから1サビおわりまでセンター。

センターはセンターで、端は端で、後ろは後ろで、どのポジションでも輝いてるのは個性が光ってるからなのであります。

とてもステキ。

そこはマイケルなわけで

マイケル以上にハットを魅せてるアーティストを観たことがない。

いるにはいるけどね、マイケルが圧倒的。

なんてったってKINGだからね、KING OF POP。

そんなKINGのファンを4歳からやってるもんで、帽子をかぶったらナチュラルにマイケルがよぎってくる。

だからそのニュアンスを入れたくて。

ちょっとしたセリケル。

スパンコール×ジャケット×ジャズハット=セリケル

安室ちゃんも妹のジャネットに影響を受けてるから兄のマイケルにだって影響を受けてるはずで、

「安室ちゃんの中にジャネットとマイケルが存在してるならここでマイケルスパイスを入れてもいいでしょう」

という自己審査に合格。

やったー。

指が通過するおしゃコレオ

「うわぁ、なにこのオシャレな振り・・・!!」

もうねー、ここの振りがすきすぎて。

2006のLIVE DVDでWithout meのパフォーマンスを初めて観たときにズッキュン!

安室ちゃんの振付師さん(コレオグラファーさん)は、まだまだ無知の私が存じ上げてるだけでも20人ぐらいいらっしゃるのだけど、86曲踊ってきた中で感じてることがある。

「この振りオシャレだなー、すきだなー」

「観た感覚と踊った感覚にズレがあんまりないなー」

って思うコレオのほとんどがTETSUHARUさん。

Without meもTETSUHARUさんの作品。

(MittanさんとHossyさんのコレオもおしゃれでシャープですごくすきだけどこれはまた今度)

ダンスにおける振付の何をオシャレと感じるのかって、そもそも時代、ダンスジャンル、楽曲、アーティストの方向性、何より個人の感性で全然違うから「これが絶対的オシャレ」とは言えないけど、「これはどう見てもオシャレだわー」っていう振りは存在する。

センスがすごい。

センスって、ダンスをやっててもやってなくてもたぶん判断できるものだよね。

「あの人おしゃれだな」とか「このカフェおしゃれだな」っていう感覚ときっと似てる。

「私はコレがタイプ」っていうことで、Without meは、ドタイプだったの。

特にここの振りが。

「腕の下を人差し指が通過していく」

こんなオシャレな振りが創れるTETSUHARUさんをリスペクトしてる。

TETSUHARUさんがいなかったらこんな振り生まれてないし、「うわー!オシャレ
!くぅー!」みたいな感情になることもなかったし、自分でそれを体現させてもらえることもなかったからすべてにおいて感謝しかない。

安室ちゃんがやることでさらにオシャレベル急上昇だからもう、ほんと、この動きを観れただけで心が満ちる。

ないバーをどうにかする

安室ちゃんのステージはゲストを楽しませる演出のためにいろんな仕掛けがある。

Without meではバーの出現。

「最初からここにありましたよ」ぐらい自然に出現して、安室ちゃんもダンサーさんもスッとバーの演出に入っていくけど、このバーをこのタイミングで出すまでにどれだけ大変だったか。

冷やし中華はじめました、ぐらいの勝手さで、バックステージ考察をはじめます。

「とりあえずセットはこういう感じでいいかな」

「ラストでバーが出てきて、絡んで、階段上がって、迫(セリ)で下がるのはどう?」

「いいねいいね」

「バーの素材どうする?」

「5人で掴まったり潜ったりしても耐えられる強度で」

「その素材で手配できる会社調べまーす」

「予算は?」

「とりあえず見積もらって」

「設営はどうする?

「ステージにポールが通せる穴を開けよう」

「直径は?」

「ドリルはどこのがいいかな」

「ヤスリもかけたほうがいいね」

「押し上げは油圧式?手動?」

「バー出すタイミングどうしよっか」

「3サビで後ろだけ暗転中ならゲストに気づかれないはず」

「しまうタイミングは?」

「大サビに入る直前で」

こんな会議があったと思うの、スタッフさんの間で。

誠に勝手な妄想なので専門用語とか使い方とか間違ってるかもだけど「バー出してしまう」だけでとんでもないプロセスが詰まってることだけはアマチュアの私でもわかる。

そっから実際に発注して、組み立てて、長さ調整して、安全確認して、タイミングみてっていうリハを何度も何度も重ねたと思うのね。

大道具さんだけじゃない、いろんな人がこのポールに関わってる。

すべては安室ちゃんのステージを最高のものにするため。

プロのお仕事にリスペクト。

そんなバーだからね、みすみす逃すまいと3人でバー会議した。

バレエのバーレッスンで使うバーを入れるか?なんて話もあったけど進行を考えると現実的じゃない。

なんだかんだで最終的に決まったのがこれ。

最強。

アームバー。

こういう「あそび」が入るのっていいよね。

本番もアドリブだったねー。

大サビのセンターはやまぴだから、バーを開けてからやまぴのターン。

フリースタイルが素敵すぎて湧く会場。

やまぴは経験値がありすぎてなんでもできちゃう。

むしろフリースタイルのほうが得意なのでは?と思うぐらい。

ここ4×8ぐらいあったけど、ぜーんぜん余裕でいけたもん。

私がALLジャンルの基礎を知ったり、フリースタイルができるようになったらもうちょっと解像度が上がっていろんな解説ができると思うんだけど、やまぴはとにかくカラダで踊ってる。

ダンススキルがハイレベルな人あるある、脳で踊ってないし、音で遊んでる。

そんなやまぴだけに視線を集める構成だから私たちは後ろ向きでそれっぽく待機してるわけだけど、実は、リハのときからうららちゃんとこんな会話をしてる。

「腕が冷えてるね?」

「今日の腕あったかいね?」

本番はジャケットを着てたけど、初リハはキャミ。

腕と腕がくっついたときにお互いの体温を感じたことから毎回のリハで「本日の腕の温度」トークがなされた。

そもそも腕と腕がくっつくほどの隊形を組んだから腕がくっついたわけではない。

うららちゃんとの場合は無言のアドリブで形が決まってくことがほとんど。

ピタッとくっついていたほうがやまぴが映える、構成的にGOOD、みたいなことがなんとなーくお互いにわかるから寄ってみた結果、腕と腕がくっついた。

その瞬間にお互いの体温を感じたから、

「冷えてるね?」「あったかいね?」の会話が自然と誕生。

相方が中山美穂さんなら「ツイてるね、ノッてるね」だったかもしれない。

こういうちょっとした瞬間につま先を立てられるのってほんとすごい。

神経がつま先までいってなかったら足がポイントにならないとか、ダンスジャンルによる動きとか、そのジャンルに合ってるスニーカーの種類ってのもあるかもけど、たぶんこれは長年積み上げてきたことがサラッと出てる瞬間だと思う。

安室ちゃんやダンサーさんもすごいフォルムがサラッと出てる瞬間ってけっこうあるけど、似てる感じなんじゃないかなー。

階段を昇ってった安室ちゃんのポジションでラストを飾ってくれたやまぴ。

M9 Without me

>この場所から未来へ

この場所から未来へ

人生1度きり。 夢を叶えるのも叶えないのもすべて自分次第。あなたと出会って一緒に踊れることを楽しみにしています!