ブルース・リーか、安室ちゃんか。
この2人だけなんじゃないの、こんなにカッコよくヌンチャク振り回せるの。
人生そこそこやってきたけど、ヌンチャクを振り回さなければならないというシーンには特に出くわさなかったよ。
toi et moiを踊るまでは。
人生初ヌンチャク!
と思ってたけど、回してたのヌンチャクじゃなかった。
ダイソーのなわとびだった。
勘違い、勘違い。
大量のカニを獲ってコサック
トップはねねちゃん。
イントロからガンガン振りが入ってるtoi et moi。
「ここか!」っていう分かりやすい音がたまにしかこない。
そんなときはMASQのコレオメソッド。
「カニを獲るよ!やったーやったー大量!」
「コサックしてずーっとコサックです!」
このコサックで「バーン!」とキマってるのがさっきの写真。
オーディエンスのCからは「ねねーーー!Hooo!!!」の声援が響くんだけど、この直後うららちゃんがスッと立って「ちょっとした遊び」をやり始める構成にしてたの、最初は。
だけどやっぱりここはそのままねねちゃんに入ってもらってたほうがよくて最終的には「君を助けに」までフリーソロを入れてもらうことになった。
この「フリーソロでお願いしたいんだけどいいかな?」って伝えたタイミングはリハの2時間前ぐらい。
場当たりしたときに「やっぱりフリーソロのほうがいいな」と確信したのと、ねねちゃんは即興できるタイプだからちょっと無茶振りだったけどグイっとお願いさせてもらった。
リハですぐフリーソロできちゃうのがさすが。
どこから湧いてくる勇気と希望
「どこからか湧いてくる勇気と希望で溺れそうになってる」
どこだろうか。
ここは元々1人1×4ぐらいのフリーソロ。
ねねちゃん→あやちゃん→うららちゃん→せり
この順番で好きなことをやってくんだけど、毎回ねねちゃんが何かを仕掛けてくる。
坂田師匠、後ろ向きジャンピンググッドとか「そんなのどうやったら出てくんの」みたいな動きばっかりで、これがおもしろくてみんなその動きを真似していくスタイルが定着。
本番は何がくるのかなーと思ってミラーを見てたらこんなことやってる。
「これね」と悟る3人。
そして実行。
獲られたカニみたい。
こんな風にオリジナルジョイが入るけど1サビはしっかり踊る。
ねねちゃんのこの足の角度理想すぎるなー。
こんなに膝が前に向いてるのに後ろ脚もしっかり捻って入っててすごくキレイ。
このシーンのフォームものすんごいキレイ。
ジャネット・ナミソン
ジャネットのリズムネイションにインスパイアされたんじゃないかなーと思ったtoi et moiのダンスブレイク。
「Rythm NationのPVに衝撃を受けてビデオテープを擦り切れるほど見た」
「尊敬する、影響を受けたアーティストはジャネット・ジャクソン」
安室ちゃんがインタビューで答えていたこと。
安室ちゃんがジャネットのビデオテープを擦り切れるほど見てた頃、私はマイケルのビデオテープを擦り切れるほど見てた。
だけど「マイケルみたいになりたいな」と思ったことはなかった。
そもそもマイケルになれるとか、なれそうとか、なってみたとかの前にあのビデオテープを見てた子供の私は「ここどこなんだろう?」と思ってた。
PVという概念がないから「この世界はどこにいったあるんだろう?マイケルはどこにいるんだろう?なんでマイケルはここにいるんだろう?」と思ってて、すごくすごく不思議な感覚で観てた体感がまだ残ってる。
でも6歳のときリアルマイケルに会いに東京ドームに行った。
安室ちゃんが最後に選んだあの東京ドームに、マイケルも立ってた。
客席から観たマイケルは米粒より小さかったけど、ダイヤモンドみたいに眩い光を放ってたからその情景は今でも鮮明に見える。
あとはもう擦り切れるほど観てたビデオテープと脳が壊れるぐらい聴いてたカセットテープのあの曲を生で聴けて幻を観ているようだったことも憶えている。
安室ちゃんのことをこんな風に観てたキッズもいるんじゃないかな。
オトナがもう持てないキッズの感覚って一生残るからキッズの話聞いてみたいな。
そんなわけでジャネットよりマイケル派ではあるんだけど、兄妹作品の「Scream」のジャネットがえげつないカッコよさで、このPVが入ってるビデオテープも擦り切れるほど観たし、アメリカのCDショップでビデオテープをもう1本買ったぐらい観てた。
マイケルとジャネットについて語り出したら日が暮れるどころか100年ぐらいかかりそうだからここはグッと抑えて「ジャネットにインスパイアされた安室ちゃん」のお話。
安室ちゃんはリズムネイションみたいなカッコイイ世界観を自分のステージで表現することが夢の1つだったんじゃないかな。
幼い頃に憧れた「強くてカッコいい女性アーティスト」になる夢を叶えたから、「これがやりたかった!」の夢をtoi et moiでも叶えたのかもしれない。
やりたかったことをやりたい形でできるなんてさぞかし嬉しいだろうし、それに満足してる安室ちゃんを見たら「よかったね、おめでとう!」みたいな祝福の気持ちがどこからか湧いてくる。
それはそうと、安室ちゃんの右隣に「スバ様」がいるのがレア。
すばるさんは浜崎あゆみさんのバックダンサー歴のほうが長いけどこの時代はまだ安室ちゃんについてたんだなぁ。
この時代に限らずだけど1人のアーティストさんにずっとつくダンサーさんもいるし、他のアーティストさんを周るダンサーさんもいる。
振付ダンスをやるようになってからダンサーさんのことをちょっとずつ知っていく機会が増えたけど、知れば知るほどダンサーさんのことももっと書きたい。
ダンサーさんにスポットライト当てた記事書きたい、をまた今年も言ってるのにまだ今年も書けてない。
このシーン、ガチャガチャして4人がポジションにつくんだけど、これを言葉で言うとなんだろうか。
最初の「ガンガンガンガン!」の4つの音に合わせてルービックキューブを4回転させて面を揃える、みたいなイメージかな。
揃え終わったときって気持ちいいと思うんだけど、同じような気持ちよさが4人にあったんじゃないかな。
ここ気持ちいいよね?
って確認したことなんかないけど、たぶんみんな同じ「ガチャ感」があったはず。
ガチャからの動きはミリタリー。
高校時代のダンス大会でミリタリー部門というのもあった。
そのミリタリー部門でもダンス部門でも優勝しかしない圧倒的に強いチームがいて、出場してる全校から「羨望のまなざし~」を浴びていた。
ミリタリーのレベルがすごすぎて「もうジャネットのバックいけんじゃないか?」ってぐらい。
ミリタリーっていうのは軍人さんとかが「ピシッ!ピシッ!」って歩いたり方向転換したりするアレ。
あー、もっと分かりやすい例えがあったな。
安室ちゃんの空手!
空手の型(カタ)みたいな感じで、とにかく渾身の力で動きを止めるアレ。
筋力がないと止めたいとこで形が固まらないし、筋力がありすぎると止めた反動でブルブルって動いて見えちゃうからとても難しい「止め」。
ジャネットとか安室ちゃんほどの「止める」はまだまだできないけど、ミリタリーパートで音ハメができたのは楽しかったね!
そのあとがもっと楽しかったけども。
安室ちゃんとダンサーさんは2回ずつ「うんいぇい、うんいぇい」みたいなことをしてるんだけど、MASQではだいたいこのパターンがきたときは「隣の人とー!」っていうのをやってる。
隣の人と仲良くコミュニケーション取ってねー、っていう感じで。
これを実際やってみると隣の人だけじゃなくて全員とコミュニケーションを取りたくなっちゃうから結局このときも4人で集まっちゃったよね。
ティモシー&ダンボ再来
ねねティモシーと3ダンボ。
LOVE2000以来の再来。
4人でグルグルと回る構成だったけど完全なる手持無沙汰感でダンボの再来。
元ティモシー、現ダンボのうららちゃんはなんだかティモシー先輩にも見えてくる。
初ダンボ、現ティモシーのねねちゃんはティモシーフェイス(げっ歯類のネズミを表現するために歯をめちゃくちゃ出していてゲストから「顔ー!」のツッコミが入るくらい)をしっかりやってからダンボもやるという1人2役。
元ダンボ、現ダンボのあやちゃんとせりはただただダンボをやるのみ。
1000円のヌンチャクと100円のナワトビ
Q.ホンモノのヌンチャクを振り回しているのは誰?
A.あやちゃん
あとの3人はダイソーのナワトビ。
もうーあやちゃんってばブルース・リーに弟子入りしたのかなっていう左手。
すごいよこの左手。
安室ちゃんがふいに出す手を絶対研究したことがよく分かる左手。
あやちゃんのヌンチャクはね、然るべき長さがあるから小脇に挟めてるんだけどあとの3人、ただのなわとびだからね。
なわとびの縄の部分をハサミでチョキンしちゃってるから小脇に挟める長さなんてないのにマジメに挟もうとしてるこのシーンすごい好き。
「ヌンチャクをセンターでやりたい!」とセンターリクエストをくれたあやちゃん。
どうぞどうぞ、ぶん回してちょうだい!とお願いして、これよ。
toi et moiのレッスンは「ナワトビでもタオルでもいいから何か振り回せるものがあるとヌンチャク感を楽しめるからぜひ持ってきてねー」と参加メンバーに連絡したらあやちゃんから最速返信。
「うちにヌンチャクあるから持ってくねー!」
いやいや、なぜある?
なぜ、ヌンチャクが家にあるんか。
しかも言い方がスムーズすぎる。
「Tシャツあるから持ってくねー」ぐらいのスムーズさ。
これ去年もあったよね。
DARLINGで「シェイカーがあったら演出おもしろくなるよね」って話をしたら最速返信。
「うちにシェイカーあるから持ってくねー!」
いやいや、なぜある?
なぜ、シェイカーが家にあるんか。
あやちゃんちはバーか、バーなのか?
ヌンチャクバーか?
バーでヌンチャクを振り回そうもんなら高級グラス全部割れるぞ。
っていうことであやちゃんだけホンモノのヌンチャク(当たっても痛くないやつ)だったんだけど、もう最高のヌンチャクだったね。
ただね、ヌンチャクパートはほんとに覚えづらかったよね。
メロディーもないし、安室ちゃんも歌ってないから「ジャッ、ジャッ、ジャッジャッジャッ!!!・・・ダダダ」の永遠リピート。
途中からかけようもんなら、
どこのジャなの?
どこのダダダなの?
って迷子になるアウトロのヌンチャク。
そんなときはこれ、MASQのコレオメソッド。
「ヤンキー挨拶したら後ろ」
「鬼退治いくよ!みんな集合!」
「猿とか犬とか雉とかみんな集合!」
「回してばかりの人生だから、もう1回回して縦に、持ち替える!」
これをシャウトしながらみんなでヌンチャクパートを覚えたよ。
鬼退治に関してはブンブン振り回してるヌンチャク(なわとび)がだんだん金棒に見えてきちゃって、もはや桃太郎状態。
金棒じゃなくてヌンチャクなんだけどね。
「それはそうと、なんでヌンチャクを振り回して踊ることにしたんだろう?」
この疑問を持てたことでまた安室ちゃんのルーツを1つ辿れたことは嬉しかったなぁ。
ヌンチャクといえばブルース・リーのホワチャ。
このイメージを持ってる人が多いと思うんだけど、「ヌンチャク」のWikiを読んでびっくり。
「沖縄の琉球古武術の武器の一種。ブルース・リーのカンフー映画によって世界的に広く知られるようになった」
えーーー!!!!!
だから安室ちゃんヌンチャクを使ったんだね!!!!!
ヤッ!
toi et moiで1幕がアップ。
1幕はスニーカーだから踊りやすさがあるけど、ちゃんと動ける分ちゃんとキツイ。
でもこれCOMEXだったら3幕も4幕もあんなに踊れなかっただろうな。
そう思うとやっぱり安室ちゃんの足腰体幹腹筋ってどうなってんのかホワチャ。
M4 toi et moi